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  5. 電磁波解析(近傍場のデータから遠方場の推測)


誘導加熱解析事例

電磁界 有限要素法 周波数応答

近傍場のデータから遠方場の推測

(電磁波解析)

電波暗室の3メートル法で計測した近傍場電場のデータから、電磁波解析を
行い、10メートル法の遠方場の電場分布を推測します。

3メートル法の電場の計測点を、図1に示します。
計測点は波源を中心とした半径3m、 高さ3mの円筒面上にあり、周方向に5度間隔、
高さ方向に10cm間隔で合計2232点です。

10メートル法の電場の計算点は図2のように、半径10m、高さ3mの円筒面上にあり、
3メートル法と同じく合計2232点で評価しました。

今回は検証のために10メートル法でも計測を行い、計算との結果を比較しました。
解析に使用したモジュールはPHOTO-WAVEMPです。

近傍場のデータから遠方場の推測事例 近傍場のデータから遠方場の推測事例
図1 : 電場の計測点と計算点
3メートル法
図2 : 電場の計測点と計算点
10メートル法

近傍場のデータから遠方場の推測 解析例1 解析例1

電波源として試験用のアンテナを用い、周波数が550MHz の解析例を示します。
まず、3メートル法により計測した電場強度のデータ(*)を可視化したものを以下に
示します。図3が床面に対する水平方向の成分で、図4が垂直方向の成分です。

近傍場のデータから遠方場の推測 水平 近傍場のデータから遠方場の推測 垂直
図3 : 3メートル法で計算した電場
水平成分
図4 : 3メートル法で計算した電場
垂直成分

次に計測データから多重極モーメントを計算し、3メートル法の電場を近似したときの
分布を以下に示します。

近傍場のデータから遠方場の推測 水平 近傍場のデータから遠方場の推測 垂直
図5 : 多重極展開により近似した電場
水平成分
図6 : 多重極展開により近似した電場
垂直成分

図3、4 と 図5、6から各成分の電場分布はよく似ていることが確認できます。これは
多重極展開によって、計測した電場分布を よく近似できていることを示しています。

次に多重極モーメントから、半径10mの電場分布を推測します。以下に推測した電場
分布を示します。

近傍場のデータから遠方場の推測 水平 近傍場のデータから遠方場の推測 垂直
図7 : 推測した半径10mの電場
水平成分
図8 : 推測した半径10mの電場
垂直成分

検証のため10メートル法によって計測した電場データ(*)を可視化したものを以下に
示します。

近傍場のデータから遠方場の推測 水平 近傍場のデータから遠方場の推測 垂直
図9 : 10m法により計測した電場
水平成分
図10 : 10m法により計測した電場
垂直成分

図7、8 と 図9、10を比較すると、特に水平成分は多重極展開によって推測した電場
分布が計測した電場分布と似ていることがわかります。つまり、水平成分は10メートル
法による結果を、ある程度正確に推測できていることを示しています。
一方、垂直成分は水平成分ほど正確には推測できていません。 これは垂直成分の
電場強度が水平成分と比較して一桁ほど小さいため、多重極モーメントを求める際に
垂直成分の寄与が小さいことに加え、相対的にノイズの影響が大きくなっていること
も原因の一つとして考えられます。

次に、計測データの水平成分と垂直成分がそれぞれ最大となる場所でのハイトパター
ンを比較したものを以下に示します。横軸が高さ方向の座標、縦軸は電場強度を
デシベルで表しています。図11より水平成分については、計測と推測でハイトパターン
がよく一致しています。
垂直成分については、上記の理由により水平成分ほどは一致していません。

近傍場のデータから遠方場の推測 グラフ 近傍場のデータから遠方場の推測 グラフ
図11 : ハイトパターン 赤:計測、緑:推測
水平成分
図12 :ハイトパターン 赤:計測、緑:推測
垂直成分
(*)計測データのご提供:一般社団法人KEC関西電子工業振興センター様

近傍場のデータから遠方場の推測 解析例1 解析例2

電波源として擬似的な電気機器を用い、周波数が960MHz のときの解析例を示し
ます。

3メートル法により計測した電場強度のデータ(*)を、可視化したものを以下に示し
ます。試験用のアンテナの場合(図3、4)と比較して、電場の分布が複雑になって
いることがわかります。

近傍場のデータから遠方場の推測 水平 近傍場のデータから遠方場の推測 垂直
図13 : 3メートル法で計算した電場
水平成分
図14 :3メートル法で計算した電場
垂直成分

次に計測データから多重極モーメントを計算し、3メートル法の電場を近似したとき
の分布を以下に示します。

近傍場のデータから遠方場の推測 水平 近傍場のデータから遠方場の推測 垂直
図15 : 多重極展開により近似した電場
水平成分
図16 :多重極展開により近似した電場
垂直成分

次に多重極モーメントから、半径10mの電場分布を推測します。以下に推測した電場
分布を示します。

近傍場のデータから遠方場の推測 水平 近傍場のデータから遠方場の推測 垂直
図17 : 推測した半径10mの電場
水平成分
図18 :推測した半径10mの電場
垂直成分

検証のため10メートル法によって計測した電場データ(*)を可視化したものを以下に
示します。

近傍場のデータから遠方場の推測 水平 近傍場のデータから遠方場の推測 垂直
図19 : 10m法により計測した電場
水平成分
図20 :10m法により計測した電場
垂直成分

図17、18 と 図19、20を比較すると、各成分の電場強度の強いところでおおよその
分布が合っていることがわかります。これは実際の電気機器のように複雑な電波を
放射する電波源でも、ある程度正確に10メートル法の電場分布が推測できている
ことを示しています。

次に、水平成分と垂直成分がそれぞれ最大となる場所でのハイトパターンを比較
したものを以下に示します。横軸が高さ方向の座標、縦軸は電場強度をデシベル
で表しています。

近傍場のデータから遠方場の推測 グラフ 近傍場のデータから遠方場の推測 グラフ
図21 : ハイトパターン 赤:計測、緑:推測
水平成分
図22 :ハイトパターン 赤:計測、緑:推測
垂直成分
(*)計測データのご提供:一般社団法人KEC関西電子工業振興センター様

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