常温の鋼帯の幅方向を円形に変形させ、接合(抵抗溶接)する、電縫工程をシミュレーションしました。
円形に変形された鋼帯の周りにコイルが巻かれて、そのコイルに交流電流が通電されると鋼帯には渦電流が発生します。
通常、渦電流は鋼帯のコイルの内側に接して流れますが、図1のように端と端が短絡していないと、溶接により接合している部分に渦電流が集中し、局部的な発熱による抵抗溶接が継続します。
最初に渦電流による発熱解析を F-MAG-IHで行い、次にSimcenter Femap with Nastranで熱伝導解析を行い、時間とともに変化する 温度を計算しました。
解析モデルの外観図は図1の通りです。
図1 解析モデル外観図
1/2断面図 を図2に示しました。
図2 解析モデル外観図(断面図)
解析モデルは、前回渦電流解析用に作成したモデルをそのまま使用し、各物性は、前回の渦電流解析で定義した比透磁率と電気伝導率から熱伝導解析に必要な熱伝導率、比熱、質量密度に変更しました。
荷重として、前回の渦電流解析で求めた右のような発熱密度分布を設定し、熱伝導解析を行いました。
時間範囲は0.2秒から5秒までとして計算しました。
図3 渦電流解析により求めた
発熱量分布コンター図
各時間経過後の温度分布は以下の通りです。
図4 温度分布コンター図(発熱開始0.2秒後) |
図5 温度分布コンター図(発熱開始5秒後) |
発熱開始から10秒後までの温度分布のアニメーションは右図の通りです。
図6 温度分布変化
(発熱開始から10秒後までのアニメーション)
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