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誘電加熱の原理

すべての物質は電流を通しやすい導電体と、通しにくい絶縁体に分けられます。
絶縁体の分子のほとんどは両端にプラス・マイナスの電荷を持ちますが、この絶縁体を
互いに向きあった平行電極の間に置いて高周波電圧をかけると、物質のいたるところ
で電気的な平衡状態が崩れ、電荷の分離が起こります。
この現象は誘電分極と呼ばれ、このような性質を持つ物質は誘電体と呼ばれます。

誘電分極では周波数が高くなると、誘電体を構成する各分子は回転・衝突・振動・
摩擦などの激しい運動を起こし、内部発熱が発生します。
この現象を利用したものが誘電加熱です。

この誘電加熱は、使用する電磁波の周波数が1MHz~200MHz程度のものを高周波
誘電加熱、それ以上の周波数帯領域で使用するものをマイクロ波加熱と呼んで区別
して います。

誘電分極

この誘電発熱が起こる原理を技術的な観点から簡単に説明します。
図1ような簡単な誘電加熱モデルを想定し、交流電圧 [ E ] を印可すると、理想的な
誘電体では、[ I = E× 2πfC ] の電流[I]が流れ、電流[I]の位相は電圧 [ E ] に
対して [ 90 ] 度進みます(図2)。

図1 図2

しかし、実際の誘電体に高周波電流を印可するとロスが発生し、電流は [ δ] だけ
遅れ、図3のように [ θ ] だけしか進むことができず、電圧 [ E ] と同位相の電流[ IR ]
が発生します。
この[ IR ]は、[ P = IR x E]の発熱作用を発生させます。
この時の電流位相の遅れ角[δ]は誘電損失角、[ tanδ = IR/IC = 1/2πfCR ] は
誘電正接 ( タンデルタ/Tanδ ) と呼ばれ、誘電体はそれぞれ固有の値を持っています。
この図3の状態を等価回路で表わすと図4のようになります。

図3 図4

ここで、図1の誘電体の比誘電率[εr]、電極の面積[ S (m2)]、電極の間隔 [ d (m)]、
周波数 [ f (Hz) ]、電圧 [ E (V) ]とすると、この誘電体モデルの静電容量 [ C ] は、
C = (ε0 x εr x S )/d となります。
発熱量 P は [ P = IR x E = E2/R ]、また、 [ tanδ = IR /IC = 1/2πfCR ] が
成り立っていますので、
P = E2/R = E2 x tanδx 2πfC = E2 x tanδx 2πf x (ε0 x εrx S )/d
となり、発熱量 P は、電圧 ( E ) の2乗、tanδ、周波数 [ f ]、誘電体の比誘電率 [εr ]
に比例することがわかります。

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