Team Workshop Problem 8*より
プローブ(コイル)で渦電流を発生させて導体板表面の傷を検出する「渦流探傷」を磁界解析ソフトウェアF-MAGで解析しました。
※ Team = Testing Electromagnetic Analysis Method の略で、数値計算手法の妥当性を検証するための公開問題です。
今回の解析モデルの概要図は図1~3の通りです。
図1 渦流探傷(非破壊検査)システム概要図
図2 プローブ(励磁コイルと差動検出コイル) 外観寸法図 |
図3 導体板傷の外観寸法図 |
解析の結果として、プローブの移動に伴う検出コイルの電位差を求めることができました。
プローブを導体板の傷の中心から導体板の端方向へ移動させた時に、プローブの検出コイルに発生する電位差(起電力)を移動距離ごとにプロットして図4のようなグラフを作成しました。
図4 検出コイルの電位差
プローブ位置 |X| = 0 (mm)の点はモデルが完全に対称性(鏡映)を持つので差動コイルの検出電位差はほぼゼロです。
その傷中心からずれることで、各検出コイルを貫く磁束線の本数が異なることとなり、差動コイルに電位差が生じます。
電位差(起電力)は、検出コイルを貫く磁束φが出力されるので、それを用いて計算によりを求めました。
また、磁束密度分布および渦電流分布として図5~8のような結果が得られました。
今回は周波数応答解析を行っていますので、実部は t = 0(入力と同相)の場合の分布、虚部は t = -T/4の分布を表しています。
図5 磁束密度分布コンタ図 (実部) |
図6 磁束密度コンタ図(虚部) |
図7 渦電流密度分布コンタ図 (実部) |
図8 渦電流密度分布コンタ図 (虚部) |
この解析は磁界解析ソフトウェア F-MAG で行いました。F-MAG についてはこちらへ
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