クローポール型モータを解析する前に、それに組み込む磁石の着磁解析をF-MAGで行いました。
強磁性体は外部の磁界を受けると磁化されます。 さらに磁化を続けると飽和磁束密度に達します。磁束密度が飽和した後 逆に外部磁界を徐々に小さくしていくと、残留磁束密度の点に至ります。 今度は逆向きの外部磁界をかけていくと保磁力に達し、さらに逆向きの 外部磁界をかけ続けると最後は飽和磁束密度点へ戻ります。 この図1のような曲線は「磁気ヒステリシス曲線」と呼ばれます。 このように磁性体が外部磁界から磁気を帯びて磁化される原理を 利用して、磁性体を着磁することができます。 F-MAGでは、このような着磁過程をシミュレーションすることができます。 |
![]() 図1 磁気ヒステリシス曲線 |
今回は図2のような着磁装置をモデル化しました。 この中で、永久磁石の部分が今回の着磁対象となります。 |
![]() 図2 着磁装置外観図 |
そして図3のような解析モデルとしました。 配向用磁石には、図のような磁化ベクトルを設定し、着磁対象部分には、 初期磁化曲線と減磁曲線を定義しました。 |
![]() 図3 解析モデル |
今回の着磁シミュレーションでは、図4のように、配向用磁石の磁界に より、着磁対象の永久磁石が着磁されている様子が確認できます。 |
![]() 図4 磁束密度ベクトル線図 (単位:T) |
今回着磁解析を行った永久磁石を使い、「クローボール形モータのコギングトルク解析」を行います。