マイクロ波加熱装置内の発熱分布解析
電磁界解析ソフトウェアF-WAVEを使用し、図1のようなマイクロ波加熱装置でマイクロ波加熱解析を行いました。 周波数は2.45GHzです。 解析モデルは発生する電磁界の対称性を考慮し、1/2モデルとしました。 マイクロ波はTE10モードで、導波管から入射しました。 |
![]() 図1:マイクロ波加熱装置 |
図2は加熱装置筐体内の電界分布です。 マイクロ波入射時における瞬時値です。 |
![]() 図2:電界分布コンター図 (単位:V/m) |
図3はトレーと被加熱体の電界分布です。 金属のトレーは完全導体と仮定していますので、内部で電界は発生していません。 しかし、トレーの誘電体部分には電界が発生しています。 |
![]() 図3:電界分布コンター図 (空気以外) |
図4は発熱密度分布です。 誘電体損失は複素誘電率の虚部に比例します。 今回の解析では、被加熱体の誘電率の虚部を、トレーよりも大きい値にしていますので、結果生じる発熱密度は、被加熱体の方がトレーより大きくなっています。 |
![]() 図4:発熱密度分布コンター図 (空気以外) |
マイクロ波加熱シミュレーションの結果を利用すると、マイクロ波入口の形状寸法、位置を変えることにより、筐体内の電界分布あるいは被加熱体の発熱分布などがどのように変化するのか確認することができます。
筐体の形状も、例えば方形がよいのか、円筒形がよいのか検討し、目的にかなった最適な設計を行うことができます。
また、被加熱体が複数の場合、発熱総量が個別に計算できますので、発熱温度むらをなくすためにどのような配置にすれ ばよいのか、いくつかのケースでシミュレーションし、最適配置を検討することもできます。