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マイクロ波加熱解析

マイクロ波加熱は、周波数が300MHz~3THzの電磁波(マイクロ波)を被加熱物(誘電体)に照射し、被加熱物自身が発熱します。

マイクロ波はマグネトロンで発生し、導波管を通じて庫内に放射され、被加熱物を発熱させます。
誘電体がマイクロ波の電界にさらされると、リーク電流が発生し、誘電損失により発熱します(誘導正接:tanδ )。
発熱原理は高周波誘電加熱と同じですので、詳しくは[ 高周波誘電解析 ]でご覧ください。

高周波誘電加熱についてはこちらへ

マイクロ波加熱

マイクロ波は被加熱物全体に照射されますが、実際にどの程度均一に、どの程度まで内部に浸透しているか、実際に試作して測定すると、それなりの時間と費用が必要になります。

試作の代わりにPC上で必要なケースの解析モデルを作成し、計算するだけで、装置の形状、 導波管の数/位置、被加熱物の配置などの諸条件を、短時間/ローコストで最適化することができます。

マイクロ波誘電解析(誘電損解析)では、まず被加熱物の発熱密度分布を解析します。
高周波電磁界解析ソフトウェア[ F-WAVE ]を使用します。
解析は下図のように、[ 比誘電率 ]と[ 誘電正接( tanδ)]を定義し、さらに周波数を設定して行います。

次に必要に応じて熱伝導解析を行い、時間とともに変化する温度分布を求めます。
これはマイクロ波加熱連成解析と呼ばれます。
下図は、[ F-WAVE ]と熱伝導解析オプションを組み合わせる方法です。

マイクロ波加熱連成解析モジュールにはもう一つあります。
[ F-WAVE wih Nastran ]で、[F-WAVE]と[ Simcenter Femap with Nastran ]を組み合わせた製品です。

お互いに関連づけながら行ないますので、この操作性の良し悪しが大きなポイントとなります。

このマイクロ波加熱連成解析では、装置部材の形状寸法を自在に設定し、生じる現象を可視化できます。
したがって、実験試作では計測できなかった箇所の温度分布も把握できます。

[ F-WAVE ]では、[セクションカット機能]により、解析対象モデルの任意の断面の計算結果を確認できます。
マイクロ波は被加熱物全体に照射されますが、実際にどの程度均一に、どの程度まで内部に浸透しているか解析結果を確認する必要があります。表示断面は任意の位置/角度で定義できます。

今回のコンター図は[カットモデル]機能で表示断面を作成しました。

ここで[ F-WAVE]によるマイクロ波加熱解析の一例を紹介します。

マイクロ波により生じた誘電損発熱(誘電発熱)を求めます。

被加熱体のモデルは下図の通りです。

入力ポートは、次のような3ケースのモデルを想定します。
① 入力ポート:1個/被加熱体:1個
② 入力ポート:1個/被加熱体:2個
③ 入力ポート:2個/被加熱体:2個

まず最初に、入力ポート1個に対して被加熱体も1個の場合です。

ソリッドモデルの読込み (入力ポート:1個/被加熱体:1個)


電界分布コンター図 (モデル全体/単位:V/m)

電界分布コンター図 (YZ断面/単位:V/m)

発熱密度コンター図 (被加熱物/単位:W/m3)

発熱密度コンター図 (YZ断面/単位:W/m3)

次に、入力ポート1個に対して被加熱体が2個の場合です。

ソリッドモデルの読込み (入力ポート:1個/被加熱体:2個)


電界分布コンター図 (モデル全体/単位:V/m)

電界分布コンター図 (YZ断面/単位:V/m)

発熱密度コンター図 (被加熱物/単位:W/m3)

発熱密度コンター図 (ZX断面/単位:W/m3)

最後に、入力ポート2個に対して被加熱体が2個の場合です。

ソリッドモデルの読込み (入力ポート:2個/被加熱体:2個)


電界分布コンター図 (モデル全体/単位:V/m)

電界分布コンター図 (YZ断面/単位:V/m)

発熱密度コンター図 (被加熱物/単位:W/m3))

発熱密度コンター図 (ZX断面/単位:W/m3)

解析事例

マイクロ波加熱連成解析

マイクロ波加熱装置内の誘電加熱解析

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