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高周波誘電加熱解析

高周波誘電加熱とは高周波電界中で誘電体に誘電体損失(tanδ (タンデルタ))が起こり、それにより生じた内部発熱を利用したものです。
電極の正負を高速に切り替えることにより、原子の向きが高速に切り替わり、誘電分極と呼ばれる現象が起きます。
この現象により、原子の衝突や摩擦が生まれ、熱を発生させます。

誘電加熱の原理はこちらへ

コンピューター上で行うシミュレーションは、実際に試作や実験をしなくても、さまざまな検証ができ、必要な現象を把握できます。
加熱時に被加熱体内部の温度分布を確認することはむずかしいですが、シミュレーションでは簡単に確認することができます。
シミュレーションを活用することで、開発コストや開発期間を短縮することができ、製品の品質向上にもつながります。

高周波誘電加熱連成解析は、専用のソフトウェア [F-VOLT-DH] で行います。

[ F-VOLT-DH ]は以下のモジュールで構成され、発熱密度と熱伝導の計算機能があります。

プリ・ポスト・プロセッサ : Simcenter Femap (Unisol/スタンドアローン版)
周波数応答電界解析プログラム : PHOTO-VOLTjω
熱伝導解析プログラム : PHOTO-THERMO

高周波誘電加熱解析ソフトウェア F-VOLT-DH

[Simcenter Femap ]は、有限要素法解析のための汎用CAEプリポストプロセッサです。
NASAが開発した有限要素法コードNASTRAN用のプリポストプロセッサとして1985年に生まれました。その後30年以上にわたり全世界の主要な産業で利用されています。
[ PHOTO-VOLTjω/THERMO ]は電磁場解析ソフトウェア[ PHOTO-Series ]の構成モジュールです。

この [F-VOLT-DH] で、まず被加熱物の発熱密度分布を計算します。
解析は下図のように、[ 比誘電率 ] と [ 誘電正接( tanδ)] を定義し、さらに周波数を設定して行います。
発熱密度分布までであれば、電場/電界解析ソフトウェア[ F-VOLT ]でも計算できます。

電場/電界解析ソフトウェア[ F-VOLT ]につきましてはこちらへ

解析は下図のように、[ 比誘電率 ]と[ 誘電正接( tanδ)]を定義し、さらに周波数を設定して行います。

高周波誘電加連成解析ソフトウェア F-VOLT-DH

次に必要に応じて熱伝導解析を行い、時間とともに変化する温度分布を求めます。
これは誘電加熱連成解析と呼ばれます。

高周波誘電加連成解析ソフトウェア F-VOLT-DH

誘電加熱連成解析ソフトウェアにはもう一つ[ F-VOLT with Nastran ]があります。
[ F-VOLT wih Nastran ]は[F-VOLT]と[ Simcenter Femap with Nastran ]を組み合わせた製品です。

[ Simcenter Femap with Nastran ]は、物体表面の自然対流による放熱を考慮できますので、時間とともに変化する解析対象物の正確な温度変化を解析することができます。
下のグラフは解析対象物の表面の自然対流境界条件で、上面、下面、側面の温度と熱伝達率の関係を示しており、正確に温度依存性を考慮できます。

自然対流境界条件

お互いに関連づけながら行ないますので、この操作性の良し悪しが大きなポイントとなります。

この高周波誘電発熱シミュレーションでは、装置部材の形状寸法を自在に設定し、生じる現象を可視化できます。 したがって、実験試作では計測できなかった箇所の温度分布も把握できます。

ここで[ F-VOLT with Nastran ]による高周波誘電加熱解析の一例を紹介します。
下図のようなモデルを想定します。

誘電加熱用モデル (誘電加熱/熱伝導連成解析)

高周波誘電加熱連成解析は以下のステップで解析を行ないます。
①[ F-VOLT ]による周波数応答解析で、発熱密度(誘電発熱)を求めます。
②[ Nastran ]で発熱密度データを基に熱伝導解析を行ない、時々刻々変化する温度分布を求めます。



電界分布コンター図 (単位:V/m)


Z方向中央部のXY断面)



発熱密度分布コンター図 (単位:W/m3)


[ナイロン] のみ表示 (中央部のXY断面)

ここまでは[F-VOLT]を使用して誘電発熱(誘電損発熱)を求めました。

次に、[Nastran]で熱伝導解析を行ない、温度分布を求めます。

 

温度分布コンター図 (単位:℃)
 

[ナイロン] のみ表示 (中央部のXY断面)

下図のように、[ F-VOLT ]の[セクションカット機能]により、解析対象モデルの任意の断面の計算結果を確認できます。
したがって今回のモデルの場合、ナイロンあるいはテフロンの任意の断面の温度分布を確認できますので、温度計測がむずかしい物質内部の温度も、解析結果として確認できます。
最初に1個の断面のコンター図です。断面は任意の位置/角度で定義できます。下図は斜めの面上のコンター図の例です。

     


モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃)


断面の温度分布コンター図 (単位:℃)

次に、等間隔になりますが、複数の断面上にコンター図が作成できます。

     


モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃)


複数の断面の温度分布コンター図 (単位:℃)

また最大3面まで、任意の断面上にコンター図が作成できます。

     


モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃)


断面の温度分布コンター図 (単位:℃)

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