高周波電界中では誘電体に誘電体損失(tanδ (タンデルタ))が起こります。
それにより生じた内部発熱を利用したものが高周波誘電加熱です。
シミュレーションは、試作や実験をしなくても、さまざまな現象を把握できます。
例えば、加熱時に被加熱体内部の温度分布を簡単に確認できます。
これにより、開発コストや開発期間を短縮することができます。
製品の品質向上にもつながります。
高周波誘電加熱解析には、専用のソフトウェア [ F-VOLT-DH ] があります。
高周波電界解析ソフトウェア[ F-VOLT ]に、[ 熱伝導解析機能 ]を追加した製品です。

![]() 電界ソルバー/発熱密度分布(W/m3) |
![]() 熱伝導ソルバー/温度分布(℃) |
[ F-VOLT-DH ]は以下のモジュールで構成され、発熱密度と熱伝導の計算機能があります。
プリ/ポスト・プロセッサ : Simcenter Femap ( Unisol 版 (Fシリーズ専用)
電界ソルバー
* 周波数応答解析
熱伝導ソルバー
* 過渡応答解析
[ F-VOLT-DH ]では、まず被加熱物の発熱密度分布を計算します。
下図のように、[ 比誘電率 ] と [ 誘電正接( tanδ)] を定義し、さらに周波数を設定して行います。
次に熱伝導解析を行い、時間とともに変化する温度分布を求めます。

この高周波誘電加熱連成解析では、装置部材の形状寸法を自在に設定し、生じる現象を可視化できます。
したがって、実験試作では計測できなかった箇所の温度分布も把握できます。
ここで[ F-VOLT-DH]による高周波誘電加熱連成解析の一例を紹介します。
下図のようなモデルを想定します。

誘電加熱用モデル (誘電加熱/熱伝導連成解析)
高周波誘電加熱解析は以下のステップで解析を行ないます。
① 発熱密度(誘電発熱)を求めます。
② 発熱密度データを基に熱伝導解析を行ない、時々刻々変化する温度分布を求めます。
![]() 電界分布コンター図 (単位:V/m) |
![]() Z方向中央部のXY断面) |
![]() 発熱密度分布コンター図 (単位:W/m3) |
![]() [ナイロン] のみ表示 (中央部のXY断面) |
ここまで誘電発熱(誘電損発熱)を求めました。
次に、熱伝導解析を行ない温度分布を求めます。
![]() 温度分布コンター図 (単位:℃) |
![]() [ナイロン] のみ表示 (中央部のXY断面) |
下図のように[セクションカット機能]により、解析対象モデルの任意の断面の計算結果を確認できます。
したがって今回のモデルの場合、ナイロンあるいはテフロンの任意の断面の温度分布を確認できますので、温度計測がむずかしい物質内部の温度も、解析結果として確認できます。
最初に1個の断面のコンター図です。断面は任意の位置/角度で定義できます。下図は斜めの面上のコンター図の例です。
![]() |
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![]() モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃) |
![]() |
![]() 断面の温度分布コンター図 (単位:℃) |
次に、等間隔になりますが、複数の断面上にコンター図が作成できます。
![]() |
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![]() モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃) |
![]() |
![]() 複数の断面の温度分布コンター図 (単位:℃) |
また最大3面まで、任意の断面上にコンター図が作成できます。
![]() |
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![]() モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃) |
![]() |
![]() 断面の温度分布コンター図 (単位:℃) |
[ F-VOLT-DH ]は、物体表面の自然対流による放熱を考慮できますので、解析対象物表面の放熱現象を正確に計算できます。
したがって、時間とともに変化する解析対象物全体の正確な温度変化を解析することができます。
下のグラフは解析対象物の表面の自然対流境界条件で、上面、下面、側面の温度と熱伝達率の関係を示しており、温度依存性を考慮できます。

自然対流境界条件
高周波誘電加熱連成解析![]() |
高周波誘電加熱連成解析 誘電体内に金属 ![]() |
高周波誘電加熱連成解析 高周波溶融接着装置 ![]() |
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