1. Home>
  2. 高周波誘電加熱解析

高周波誘電加熱解析

高周波誘電加熱は,誘導加熱とは違い,電気伝導体ではなく絶縁体(誘電体)を加熱するための手法です。
誘電体に高周波電界(3M~300MHz)を印加すると、誘電体は電気双極子なので、周波数と同じ速さで分極方向を変化させます。
この時、速い速度(高い周波数)で電界の向きを変化させると、双極子は反転する時に周囲の分子との間で摩擦を受け、電界の変化の速度に追従できなくなります。その結果、摩擦によるエネルギーが誘電体内部で消費され、それが誘電体内部で熱に変わります(誘電損失)。



図1


図2


図3


図4

高周波誘電加熱装置の身近な例としては、高周波溶融接着装置があります

高周波溶融接着装置

高周波誘電加熱連成解析

この装置の溶融加工の仕組みは、「高周波誘電加熱」です。
誘電体(PVC)に高周波電界を加えて誘電体内部の分子を激しく振動させ、その時の分子運動によって発生する誘電体内部からの発熱(内部加熱)で接合面を溶かし、繋ぎ合わせます。

この高周波溶融接着装置を最適に設計するためには、その発熱現象が起こるプロセスを解析(シミュレーション)ソフトウェアで確認しながら行うと便利です。シミュレーションでは、装置部材の形状寸法を自由自在に設定し、結果起こる現象を可視化により確認できますので、可能な範囲で最適な設計を行なうことができます。

発熱は高周波誘電解析(誘電損解析)で、時間とともに変化する温度は熱伝導解析で求めます。
これは誘電加熱連成解析と呼ばれます。

連成解析につきましてはこちらへ

お互いに関連づけながら行ないますので、この操作性の良し悪しが大きなポイントとなります。

この高周波誘電発熱シミュレーションでは、装置部材の形状寸法を自在に設定し、生じる現象を可視化できます。 したがって、実験試作では計測できなかった箇所の温度分布も把握できます。

ここで高周波誘電加熱解析の一例を紹介します。
下図のようなモデルを想定します。

高周波誘電加熱連成解析は以下のステップで解析を行ないます。
①高周波電界により生じた発熱(誘電発熱)を求めます。
②発熱密度データを基に熱伝導解析を行ない、時々刻々変化する温度分布を求めます。

誘電加熱用モデル (誘電加熱/熱伝導連成解析)



電界分布コンター図 (単位:V/m)


Z方向中央部のXY断面)



発熱密度分布コンター図 (単位:W/m3)


[ナイロン] のみ表示 (中央部のXY断面)

ここまでは[F-VOLT]を使用して誘電発熱(誘電損発熱)を求めました。
次に、同じ[ Simcenter Femap ] 上の[Nastran]で熱伝導解析を行ない、温度分布を求めます。

 

温度分布コンター図 (単位:℃)
 

[ナイロン] のみ表示 (中央部のXY断面)

下図のような[セクションカット機能]により、解析対象モデルの任意の断面の計算結果を確認できます。
したがって今回のモデルの場合、ナイロンあるいはテフロンの任意の断面の温度分布を確認できますので、温度計測がむずかしい物質内部の温度も、解析結果として確認できます。
最初に1個の断面のコンター図です。断面は任意の位置/角度で定義できます。下図は斜めの面上のコンター図の例です。

     


モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃)


断面の温度分布コンター図 (単位:℃)

次に、等間隔になりますが、複数の断面上にコンター図が作成できます。

     


モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃)


複数の断面の温度分布コンター図 (単位:℃)

また最大3面まで、任意の断面上にコンター図が作成できます。

     


モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃)


断面の温度分布コンター図 (単位:℃)

被加熱物の誘電率、電気伝導率に温度依存性がある場合には、温度分布計算後にそれらの物性を変更するかどうか確認が必要になります。

[ F-VOLT-DH ]は温度計算を行なうたびに物性の変更が必要かどうか確認し、必要があれば自動的に変更して計算を続けます (強連成解析機能)。

解析事例

高周波誘電加熱連成解析
高周波溶融接着装置

高周波誘電加熱連成解析

動作環境につきましては こちらへ

受託解析サービス

資料請求

※各商標または商品名はそれぞれの所有権保持者の商標または登録商標です。