電磁波として伝搬しない低周波電磁界は、その現象が磁界と電界に分かれ、磁界はアンペールの法則、ビオ・サバールの法則、電磁誘導現象はレンツの法則、ファラデーの法則などに基づいています。
磁界解析対象をコンピュータ上でモデル化してシミュレーションすれば、それらの法則が理解できるとともに、磁界分布、更にはその他の電磁現象を把握できるようになります。
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磁界解析ソフトウェア[ F-MAG ]は、磁界の電磁現象をコンピュータ上でシミュレーションするツールです。
[ F-MAG ]はプリ・ポスト・プロセッサ [ Simcenter Femap ]と[磁界解析用計算プログラム]を組合せた製品です。
[ Simcenter Femap ]は、有限要素法解析のための汎用CAEプリポストプロセッサです。
NASAが開発した有限要素法コードNASTRAN用のプリポストプロセッサとして1985年に生まれました。その後30年以上にわたり全世界の主要な産業で利用されています。
[ F-MAG ]の解析事例はこちらへ
操作手順は、[モデル読込み]から[ポスト処理]まで解析ステップ順に作業タブが表示され、このタブの順に解析作業を進めることができます。磁場/磁界解析が初めての方でも、すぐに使用することができます。
下図はボイスコイルモータの解析事例です。
コイルに直流電流を印加した時に、コイルに発生する電磁力を解析しています。装置全体から発生している磁束分布は目には見えませんが、磁場/磁界解析により可視化できます。
ボイスコイルモータのローレンツ力解析 (磁束密度分布(単位:T) |
下図は電磁コイルのプランジャーの吸引力の解析事例です。
コイルに直流電流を印加した時に、可動プランジャーに発生する電磁力を解析しています。
固定プランジャーと可動プランジャーは、コイルの内側に位置しています。この装置でも、磁束がどこに集中しているか目には見えませんが、磁場/磁界解析により可視化できます。
過電流遮断器の電磁力解析 (磁束密度分布(単位:T) |
[F-MAG]は高度な磁界解析にも適用できます。 下図は[渦流探査]の解析事例です。
磁界解析 (渦流探査/励磁コイル1個と検出コイル2個)
( 解析解と有限要素法モデルとの連成解析)
[F-MAG]のプリ・プロセッサ[Simcenter Femap]には簡易版の3次元CAD機能がありますので、CADデータが無くても、図面データからCADデーターを作成して磁界解析を行なうことができます。
[F-MAG] ができること:
* 静磁界解析
* 周波数応答解析(周波数設定)
- ・ 誘導加熱解析(ここでは発熱密度分布まで) 温度分布はこちらへ
- ・ ジュール発熱による溶融溶接解析 解析事例はこちらへ
- ・ 交流電流による表皮効果解析 解析事例はこちらへ
- ・ 2本の導線の近接効果解析 解析事例はこちらへ
- ・ 非破壊検査(渦流探傷)解析 解析事例はこちらへ
- ・ 電磁誘導探査法(渦流探査法)解析 解析事例はこちらへ
- ・ インピーダンスと共振周波数の計算 解析事例はこちらへ
* 過渡応答解析(時刻テーブル設定)
- ・ ボイスコイルモータ駆動力解析 解析事例はこちらへ
- ・ 電磁弁の吸引力解析 解析事例はこちらへ
- ・ 可動鉄心の運動解析 解析事例はこちらへ
- ・ スライドインターフェイス:互いに移動するモデルの解析 解析事例はこちらへ
* 解析結果を荷重条件に変換 (要素磁石/要素電流密度/節点力)
* 解析解と有限要素法モデルとの連成解析
* 周期境界条件/反周期境界条件の設定
* 等ベクトルポテンシャル境界条件の設定
* 外部回路を回路素子で定義:外部回路を含む解析
* コイルの自己/相互インダクタンスの計算
* 鉄損(渦電流損+ヒステリシス損)の計算
* d軸q軸インダクタンス解析
* ヒステリシス解析:保磁力/残留磁化/飽和磁化の定義
* ヒステリシス解析:メジャーループの定義
* リスタート機能:1つの解析を数ステップごとに計算
* 連続的に計算を実行:複数のデータファイル読込後
* 複数の位相の異なる電流の入力
* CADデーターが無くても図面からCADデーターを作成できます。
図面から2次元/3次元メッシュモデルを作成することもできます。
したがってCADデータの無い開発の初期段階でも磁界解析を行なうことができます。
* 解析結果表示中にいつでもメッシュパターンを見ることができます。
解析結果に対するメッシュモデルの問題点を検証し、[メッシングツールボックス]ですぐに改善することができます。
* [ポスト処理ツールボックス]により、多様な解析結果の処理作業が効率良く行えます。
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:静解析 :過渡応答解析 :周波数応答解析