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電界 有限要素法 静解析

電極間の電界分布解析事例

1.概要

下図のようなモデルに対して、電界解析ソフトウェアF-VOLTで電界分布の評価解析を行ないました。
電極間の球体が金属の場合と誘電体の場合で電界分布がどのように変化するか解析してみました。

電界解析ソフトウェア F-VOLT

1-1.解析モデルの概要

今回解析しましたモデルの外観形状は下図の通りです。

形状的な対称性を利用すると、四分の一モデルでも解析できますが、今回は解析結果が見やすいように、二分の一モデルで解析します。
電極間の球体が金属の場合、その周囲は同電位になりますので(浮導体)、その境界条件を設定しました。

3次元電界解析モデル外観図

ソリッドデータ外観図

1-2.解析仕様

物性条件

比誘電率
ケース1 ケース2 ケース3
電    極
球    体 1(金属) 100
誘  電  体 100

解析条件

下図のように、各電極に [1v] および[0v] を設定しました。

電位設定

電位設定図

2.解析結果

電極間の球体が金属の場合と誘電体の場合で電位分布および電界分布は下図のようになりました。

2.1 電位分布コンター図 ( 単位:V)

[ ケース1] 球体が金属で電極間の誘電体の比誘電率が[ 3 ]の場合、電位分布コンター図は下図のようになりました。

3次元電界解析 電位分布

球体:金属/電極間:誘電体 (εr = 3)

[ ケース2] 球体が誘電体( εr = 100 )で、電極間の誘電体の比誘電率が[ 3 ]の場合、電位分布コンター図は下図のようになりました。

3次元電界解析 電位分布

球体:誘電体 (εr = 100)/電極間:誘電体 (εr = 3)

[ ケース3] 球体が誘電体( εr = 3 )で、電極間の誘電体の比誘電率が[ 100 ]の場合、電位分布コンター図は下図のようになりました。

3次元電界解析 電位分布

球体:誘電体 (εr = 3)/電極間:誘電体 (εr = 100)

2.2 電位分布グラフ ( 単位:V)

3次元電界解析 電位分布グラフ範囲

グラフ化範囲

グラフ線の色

下図のグラフは、電極方向で球の中心軸の電位値の変化を表しています。
両端は空気中ですので、同じグラフになります。
金属の場合全体が同電位となり、それに基づく電位の変化となっています。
比透磁率が高い物質も近い傾向になっています。
誘電体の場合は電極間で距離に比例しています。

下図のグラフは、電極間に中心位置の電位の変化を表しています。
誘電体中、球の内部にかかわらず、どこも同じ電位であることがわかります。
Z方向のグラフで、3つのグラフの交点が下図の直線を表しています。

2.3 電界分布コンター図 ( 単位:V/m)

[ ケース1] 球体が金属で電極間の誘電体の比誘電率が[ 3 ]の場合、電界分布コンター図は下図のようになりました。

3次元電界解析 電界分布

球体:金属/電極間:誘電体 ( εr = 3 )

[ ケース2] 球体が誘電体( εr = 100 )で、電極間の誘電体の比誘電率が[ 3 ]の場合、電界分布コンター図は下図のようになりました。

3次元電界解析 電界分布

球体:誘電体 (εr = 100)/電極間:誘電体 (εr = 3)

[ ケース3] 球体が誘電体( εr = 3 )で、電極間の誘電体の比誘電率が[ 100 ]の場合、電界分布コンター図は下図のようになりました。

3次元電界解析 電界分布

球体:誘電体 (εr = 3)/電極間:誘電体 (εr = 100)

2.4 電界分布グラフ ( 単位:V/m)

3次元電界解析 電位分布グラフ範囲

グラフ化範囲

グラフ線の色

下図のグラフは、電極方向で球の中心軸の電界値の変化を表しています。
両端は空気中ですので、同じグラフになります。
[ 電界の大きさ = 電位差 ÷ 距離 ]です。
先程の[ 電位分布グラフ ( Z方向 ) ]で、球が金属の場合、あるいは[ μr = 100 ]の場合、球の所で電位が急に高まっていますので、電界値も高くなります。
しかし内部は同電位で電位差はありませんので、電界値はほぼ零になります。誘電体の場合、電位の変化は一定ですので、電界値もほぼ一定になります。

電界分布グラフ ( Z方向 )

下図のグラフは、電極間に中心位置の電界値の変化を表しています。
球の内部の電界値はそれぞれほぼ一定値になります。
金属内部は零、[ μr = 100 ]の場合も小さい値、誘電体の場合は大きい値になります。

電界分布グラフ ( X方向 )

この評価解析は電界解析ソフトウェア F-VOLT で行いました。

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