導体のマイクロ波加熱解析事例
金属稜線のバリに対する高周波電磁界解析
マイクロ波加熱でマイクロ波の照射対象を一般的な誘電体ではなく金属などの導体とした場合、電界分布、発熱密度分布がどのような結果になるか、解析してみました。
この解析は電界解析ソフトウェアF-WAVEで行いました。
誘電体にマイクロ波を照射すると、誘電体は電気双極子なので、マイクロ波の周波数と同じ速さで、電界の変化に合わせて分極方向を変化させます。
この時、速い速度(高い周波数)で電界の向きを変化させると、誘電体内部に誘電損失が生じ、それが誘電体内部で熱に変わります。
しかし、照射対象を誘電体ではなく、金属などの導体とした場合、どのような結果になるか、解析してみました。
電子レンジなどのマイクロ波加熱装置の場合、電磁波は筐体の内面で反射します。発熱体が導体の場合、発熱体は電界中で電流が流れ発熱しますが、電流は高周波電流ですので、表皮効果により、電流は表皮層のみ流れ、マイクロ波もそこで反射されてしまいます。
したがって、被加熱体を導体とする場合には、その表皮層も正確にモデル化を行わないと解析できません。
今回は誘電体の部分を「S45C」と想定し、表皮層を含む解析モデルを作成し、高周波電磁界解析ソフトウェアF-WAVEで解析を行ないました。
導体(磁性体)のマイクロ波加熱解析用モデル:CASE-1
解析モデル
解析結果/電界強度分布 (単位:V/m)
筐体内部全体 (1/2モデル)
S45C全体 (1/2モデル)
S45C全体 (1/2モデルの背面側)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
解析結果/発熱密度分布 (単位:W/m3)
筐体内部全体 (1/2モデル)
S45C全体 (1/2モデル)
S45C全体 (1/2モデルの背面側)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
筐体内部全体 (1/2モデル)
導体(磁性体)のマイクロ波加熱解析:ケース2
解析モデル
※「S45C」の上側に電界を集中させるために凸部を作成 |
解析結果/電界強度分布 (単位:V/m)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
解析結果/発熱密度分布 (単位:W/m3)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
S45C表皮層部分 (1/2モデル)
この解析は高周波電磁界解析ソフトウェア F-WAVE で行いました。F-WAVE について詳しくはこちらへ
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