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基礎理論式

高周波の現象を取り扱う場合には変位電流による磁界、磁界の変化による電界を同時に考慮する必要があります。
この場合の基礎となる方程式は3つのマックスウェルの方程式から構成されます。

誘電率εの誘電体に電場Eが存在した場合、電束Dが次の式により表されます。

電束Dは印加された電界Eにより誘電体の分極が向きをそろえる結果現れるので、電界の極性変化が速い場合はDの変化はEの変化から遅れます。
マイクロ波の角周波数をω、電界Eの振幅をE0とすると、

Dの遅れを位相 δ で表すと、

Dの時間微分が誘電体中の変位電流として、一般の電流と同等の扱いができるとし、変位電流をJDとすると、

JDとEの各実数部の積の平均値が誘電体単位体積当たりの発生電力、すなわち損失PLなので、

一方、DとEの比をとると、D = εEなので、

このようにDとEに位相差があると ε は複素数となる。上記式を

と書き表すと、

上記(2)式を用いて式(A)の右辺を書き直すと

したがって、誘電体損失[ PL ]は複素誘電率の虚部 ε''と電界Eの振幅E 0に比例することがわかります。

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