




高周波誘電加熱連成解析
誘電分極では周波数が高くなると、誘電体を構成する各分子は回転・衝突・振動・摩擦などの
激しい運動を起こし、内部発熱が発生します。
この現象を利用したものが高周波誘電加熱です。
高周波電界中で誘電体に誘電体損失(tanδ (タンデルタ))が起こり、それにより生じた内部発熱を利用して昇温します。
誘電加熱連成解析ソフトウェア[ F-VOLT-DH ]を使用して、この昇温状態を評価解析しました。
まず周波数応答解析機能で誘電加熱解析を行い、発熱密度分布まで計算しました。
引き続き、その発熱分布から温度分布を求めました。

誘電加熱用モデル (誘電加熱/熱伝導連成解析)
最初に、テフロンとナイロンに、[ 誘電率 ]と[ tanδ ]を設定して誘電解析を行ない、誘電損(発熱密度)を求めました。
電極には、[ 10k(v) ]と[ 0(v) ]の電位を印加しました。
周波数は[ 50MHz ]としました。
高周波誘電加熱解析は以下のステップで解析を行ないます。
① 発熱密度(誘電発熱)を求めます。
② 発熱密度データを基に熱伝導解析を行ない、時々刻々変化する温度分布を求めます。
![]() 電界分布コンター図 (単位:V/m) |
![]() Z方向中央部のXY断面) |
![]() 発熱密度分布コンター図 (単位:W/m3) |
![]() [ナイロン] のみ表示 (中央部のXY断面) |
ここまで誘電発熱(誘電損発熱)を求めました。
次に、熱伝導解析を行ない温度分布を求めます。
![]() 温度分布コンター図 (単位:℃) |
![]() [ナイロン] のみ表示 (中央部のXY断面) |
下図のように[セクションカット機能]により、解析対象モデルの任意の断面の計算結果を確認できます。
したがって今回のモデルの場合、ナイロンあるいはテフロンの任意の断面の温度分布を確認できますので、温度計測がむずかしい物質内部の温度も、解析結果として確認できます。
最初に1個の断面のコンター図です。断面は任意の位置/角度で定義できます。下図は斜めの面上のコンター図の例です。
![]() |
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![]() モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃) |
![]() |
![]() 断面の温度分布コンター図 (単位:℃) |
次に、等間隔になりますが、複数の断面上にコンター図が作成できます。
![]() |
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![]() モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃) |
![]() |
![]() 複数の断面の温度分布コンター図 (単位:℃) |
また最大3面まで、任意の断面上にコンター図が作成できます。
![]() |
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![]() モデル全体の温度分布コンター図 (単位:℃) |
![]() |
![]() 断面の温度分布コンター図 (単位:℃) |
[ F-VOLT-DH ]は、物体表面の自然対流による放熱を考慮できますので、解析対象物表面の放熱現象を正確に計算できます。
したがって、時間とともに変化する解析対象物全体の正確な温度変化を解析することができます。
下のグラフは解析対象物の表面の自然対流境界条件で、上面、下面、側面の温度と熱伝達率の関係を示しており、温度依存性を考慮できます。

自然対流境界条件
この高周波誘電加熱連成解析では、装置部材の形状寸法を自在に設定し、生じる現象を可視化できます。
したがって、実験試作では計測できなかった箇所の温度分布も把握できます。
この評価解析は誘電加熱連成解析ソフトウェア F-VOLT-DH で で行いました。
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